明晰

桜が綺麗な季節となりました。 自然は迷いなく、粛々と自らの役割を果たしているように思います。 何はなくとも、この季節は活動的な気持ちになるものですね。それも人の役割として、自然の中にあるものなのかも知れません。ぼちぼち、地中に眠る動物たちも…

中止

既にご存知の方も多いかと思います。 今週末、せんだい演劇工房10-BOXで上演される予定だったM-laboratory「DAWNORDUSK」は、宮城県および仙台市での新型コロナウイルス感染拡大によって同県・同市から発令された独自の緊急事態宣言を受けて、中止の判断とし…

獲得

花粉が激しく飛散しているようで、目の痒みとくしゃみが突発的にやってくる日が続いている。中学、高校生の頃は、今よりずっと症状が重くて、この季節になるといつも鼻にティッシュを突っ込んでいた。と言っても過言ではない。春になると花粉症のために集中…

家畜

自己家畜化という言葉がある。簡単に説明すると、人間は自らを家畜化しているのだということなのだけれど、最近その言葉に変に納得させられる機会が多くあって、どうにも「なるほどな」と顎を摩ってしまうのだ。この「自己家畜化」という考え方に対しては、…

発揚

2020年9月に東京で上演されたM-laboratoryの新作「DAWNORDUSK」が3月末に仙台で再演されるにあたって、昨年暮れからリハーサルが続いている。年が明けて、東京に緊急事態宣言が発令されたことによって、少なからずリハの進行は影響を受けているけれど、それ…

空白

年明けから始まったカナダのToronto Dance Theatreとのコラボレーション”Co-Conspirators Project”(直訳すると「共謀者計画」です。すごいネーミングですね。)も、一ヶ月余りが経とうとしています。もちろん、この状況下ですのでやりとりはオンラインによ…

多面性

ふとしたきっかけが幾重かに連なって、去年の暮れあたりから海外の友人とZOOMやらメールやらで連絡を取り合う機会が増えた。それぞれ、パリ、NY、トロントに在住しているのだけど、どの都市もコロナ禍によってロックダウンか、それに近い状態(一部外出禁止…

物質

長い時間、動物の骨格標本を眺めていると、目の前に物として存在している骨が、私のからだの内側に隠蔽されている私自身の骨と共鳴するような感覚を起こす。それはどうにも不思議な感覚なのだけど、私自身もまた沈黙とともに眼前に屹立する骨と同様、物であ…

変異

先日一都三県に緊急事態宣言が発令されましたが、宣言発令後初の三連休初日となる本日の街の人出は、お世辞にも少なくなっているとは言えない状況のように思えた。もちろん外出自粛だけが重要であるわけではないけれど、それでもどこか釈然としない思いにも…

変革

252日ぶりの更新。 252日というと8ヶ月と少しくらいでしょうか。前回の投稿は昨年の緊急事態宣言中のことでした。それから8ヶ月が経ち、年も変わって2021年。年明け早々の本日、2回目の緊急事態宣言が示唆されましたね。それについては殊更に語るべきこと…

想像

自宅で静かに過ごす時間が増えた。 アクティブに活動することは叶わないけれど、与えられたその時間は、それはそれで悪くないものだと思う。これまで当たり前のように過ごしていた日常の方が、あるいは異常だったのかも知れないなとさえ思ってしまう。忙しさ…

静寂

この国の実体が見えてきたような気がする、今日この頃。 多くの人が現在、自らの身のおかれた状況に不安を抱えながら生活していると思います。もちろん私も不安がないと言えば、それは嘘になります。 ご存知のお方も多いとは思いますが、6月からカンパニー新…

段落

随分と間が空いてしましました。もちろん、忘れてしまったり、ほったらかしていた訳ではありません。時おり気にしていながらも、なかなか向かうまでに至らず、気がつけばひと月以上が経ってしまった。 その間に、世間は大変な事になってしまいました。先日近…

受皿

2020年。 数字の並び方からして、何かしらの節目と整合性を感じる。そう感じさせてしまう何かが、今年という時の流れの切断面にはある。新たな何かがスタートするのか、あるいは既存の何かがターニングポイントを迎えるのか。それは分からないけれど。 何は…

唯一

2019年、大晦日。 常套の文句になってしまうけれど、やはりあっという間の一年だった。 2018年の12月に東京に越してきて、多くの新しい出会いがあり、新しい発見がありながら、どれだけ場所が変化しても、何も変わることのないものもあった。 この一年の出来…

一体

2019年も年の瀬。 いつもと変わらぬ街なのかもしれないけれど、行き交う人々を眺めていると、どことなく暮れてゆく年を感じるのだから不思議なものです。デパートにはクリスマスツリーと正月のお飾りが同時に並んで、季節感があるのだか、ないのだか。 何故…

発見

先週末、M-laboratory公演「Moment of motion」を無事に終えることができました。 この場を借りて、ご来場頂いたお客様に心から御礼申し上げます。 ありがとうございました。 今回の公演は女性ダンサーによる4つのソロ作品の上演という、M-laboの自主公演と…

営み

M-laboratory公演「Moment of motion」の本番まで、残すところあと10日あまりとなった。 昨日の合同リハには笠井瑞丈が来て、彼の提案により、4作品中3作品の通しが行われた。もちろん、それぞれの作品は完成の段階まで至ってはいないのだが、やはりこの時期…

狭間

最近、美術館によく行く。 東京には大きな美術館が沢山あって、そこかしこで気になる作家の展覧会が行われているから、美術の観覧欲は枯れることなく、常に満たされる。小さなギャラリーを含むとそれはもう、天文学的な数字になるのではないか。。。そんなこ…

粛々

前回の更新から一ヶ月以上が過ぎてしまいました。 この一ヶ月間、パソコンの前に座って作業をしながら、時折、ブログの更新に想いが向かったこともありましたが、結局実際に更新されることはありませんでした。。。 その間、パソコンに向かう作業は、楽曲製…

変身

遠くから花火の音が聞こえてくる。 けれど、花火の実態は眺めることが出来ない。 どこか、遠くで、打ち上がる花火。 ふと、夏の終わりの到来を思う。 あと一週間、もう少し、夏が続いてくれたらと思いながらも、何故こんなにも夏に執着するのだろうと、我な…

空の間

更新に少し間が空きました。 間が空くと書いて、空間ですね。 それは空(から)っぽの、間(ま)でもあります。 いい塩梅でそのような余地を作ることも、時にはいいのかも知れません。 空の間を越えたところまで来て、ふと気がつけば、季節は夏から秋に向か…

変換

夏。 毎日外に出ると「暑いなあ。」と呟いてしまう。夏だから。 蝉がみんみんと鳴いている。夏だから。 スーパーに丸々とした西瓜が並んでいる。夏だから。 山だか、海だか、自然に囲まれた場所へ行きたくなる。夏だから。 噴き出してくる汗を拭う時「夏が好…

描写

梅雨明けした模様。 東京は昨年より30日遅れての梅雨明けだったらしい。と、いうことは昨年は6月下旬には梅雨明けしていたという事?昨年は岡山にいたから、その記憶がないけれど、梅雨明けとは年ごとにそんなにもずれ込むものなのか。。。ともあれ、青空が…

一塊

雨が降ったり止んだり。その雨も降っているのかいないのか、傘をさすべきか否かを考える。東京はここ数日、はっきりしない天気が続いています。昨日の東京の日照時間はたったの8分。今日はまた、一日中雲に覆われた空。いよいよ青空が恋しくなるなあ。来週あ…

行動と反射

人は考える。 例えば、人と人が対面した状態で会話をしている時に、その人の考えはどこから湧いてくるのか。何かしらのきっかけがあって、人と人の間に会話が起こり、相手の発言によって思考が促されて、その人は考える。そしてその考えを、発言する。と、普…

危機

言葉について。 一人の人が言葉を獲得し始めるのは、大抵の場合は物心つく以前からではないかと思う。おそらく自分が言葉を獲得し始めた初期段階を記憶している人は、そう多くはないのではないだろうか。すべからく母国語というものは、意識する事なく、もし…

野生

家の近くの店の軒先につばめの巣を見つけた。巣の中では、いつ運ばれて来るかも分からぬ餌を求めるように、雛たちが口を大きく開いてピーピーと鳴いている。 雨上がり。そんな光景の中にしばし佇み、なんということもなくまた歩き出す。生きて、動いている物…

体力

夜。窓を開けると、ベランダに置いた植物の葉がかさかさと音を立てて、室内に風が入り込む。近くの道路から聞こえてくる車の音も、なんとなく心地いい。 いい季節です。 もうすぐジメジメとした梅雨がやってくるけど、それを越えれば夏だ。何年かぶりに東京…

具体

夜でも自宅の窓を開け放つ時期になってきました。外気が湿気とともに室内に流れ込んで、初夏の夜の香りを連れてきます。季節は巡り、また夏が来る。 今年はどんな夏になるのかな。 東京に居を移して、早いものでもう半年が経とうとしています。ある程度こち…