想像

 自宅で静かに過ごす時間が増えた。
 アクティブに活動することは叶わないけれど、与えられたその時間は、それはそれで悪くないものだと思う。これまで当たり前のように過ごしていた日常の方が、あるいは異常だったのかも知れないなとさえ思ってしまう。忙しさが全てではないということ。人間にとって豊かさとは一体何かということを、改めて考えることにもなっている。
 そういった意味においては、このような状況も、悪いことばかりではないのかも知れない。

 もちろん、このような思いは、私一個人の感想です。
 前回のブログにも書いたけれど、そんなことを考えている場合ではない方が大勢いるのだということに思いが至らないわけではありません。
 生きる人の数だけ、異なる状況が存在する。からだの数だけ、個人が存在するのと同じように。しかしながら、個人の集積こそが現在の人間社会を動かしているのだということに目をやるのならば、人類が辿るであろう未来は、各個人の掌の中、その想像性の中にあるのだと言える。

 人類にとって、大きな転換点となるかも知れないこの瞬間に、人は何を想像するのか。
 あるいは、これまでの人類史において築き上げられてきた社会構造には当てはまらない、全く異なった発想による、人類基準としての思考性が必要となるのかも知れない。
 それがどのようなものであるのかは、今の私には分からないけれど。

 それを、想像することは出来る。