発見
先週末、M-laboratory公演「Moment of motion」を無事に終えることができました。
この場を借りて、ご来場頂いたお客様に心から御礼申し上げます。
ありがとうございました。
今回の公演は女性ダンサーによる4つのソロ作品の上演という、M-laboの自主公演としては初めての企画となったのですが、4つの作品を一つの共通するテーマで創作するという意味では、所謂ショーケース的な企画公演ではなくて、オムニバス作品としての公演に寄っていたと思います。
私の考えるところでは、連作短編の小説を読むような、そんな公演になればと考えてプログラムを構成していった感じです。
実際に劇場リハーサルで、照明と音響が入った状態で各作品の通しを見た時に、4つの作品が一本のラインで確実に結ばれるような実感がありました。
4つの世界をその身に内包する5つ目の(外側の)世界が、そこに生まれたとでも言いましょうか。あるいはそれは、4つの作品に通底する「テーマそのもの」であったのかも知れません。
共通する一つのテーマは、4つの作品の種となって、そのからだの内にあるのだけど、それらの作品が繋がることで、その(からだの)外側に、テーマそのものが出現して、もう一つの作品世界を構築する。
やはり、連作短編を読むような感覚があったのかも知れません。
こういった創作の方法を試して、そこから多くの発見があったのは、個人的にはとても刺激的で楽しいものでした。また、4つの作品と、それらが生み出した5つ目の世界の存在は、今後の私自身の作品創作にも大きな影響を与えてゆくのではないかな、と今現在、感じているところです。
今回のMoment of motionのクリエーション開始の少し前あたりから、次回(2020年)のカンパニー新作の構想を練り始めていたのですが、あるいはMoment of motionの創作は、そのまま次作のクリエーションに続いているのではないかと思います。いや、そこに含まれていると言ってもいいのではなかろうか。
上演を終えたMoment of motionに想いを馳せながら、来年の新作を構想する。
過去と未来の中間、現在に私は立ってる。
最後に「Moment of motion」で上演された4つの作品。
「生まれゆく◯」(野口友紀作品)
「カムリノヒカリ」(宮脇有紀作品)
「果実の骨」(田中麻美作品)
「うつわをめぐる」(上村なおか作品)
それぞれが、今後も上演を重ねて、育って行けるように。