時間

M-laboratory。

カンパニーを立ち上げて(注:当初はそこまでの気概があったかどうか、定かではないが。若さもあったし。)第1作目を発表したのが1999年の10月。7年間の活動停止期間を挟んではいるが、今年で立ち上げから20年目ということになる。勿論、長くやっていればそれでいいと言う訳ではないけれど、長くやるためにはそれなりの体力は必要とされる。

特に、20年という時間を、立ち上げ当初から現在までほぼ同じメンバーと共にすることが出来ているというのも、個人的には奇跡的と言う感じがする。今となって想うのは全ての作品創りをメンバーが担ってくれていて、私はただ、いつも駄々をこねる子供のように「創りたい。」と言い続けてきただけなのだ。

ある意味において、私は、彼らがいなければ、何一つ出来ないのだとも言える。
逆に、彼らは、私がいなくても、何でも出来るのだとも。

とは言え、時間というものに比重があるのだとしたら、20年という時間は空気よりは重いのではないかと思う。長い時間というものは往々にして澱のように空気の下層に溜まってゆくから。あるいはそれは、知らぬ間に部屋の隅に現れる埃の塊のように存在している。
時の澱。
時の塊。
その存在は時間と重力との関係に起因するのかも知れない。

私は今、不確かな重力を感じている。
時間の、重さを。

その不確かな存在が、私を「あなたがいない世界」へといざなったのかも知れない。
それでも「創りたい。」と言うことしか、私には出来ないのだ。
それが、重ければ重いほどに。