欠片

今週末に迫ってきたM-labo新作「あなたがいない世界」の関連ワークショップが、昨夜行われました。
受講者は6名。「ちょっと少ないかな」とも思ったけれど、ワークをしてみて、ちょうどいい人数だと思った。それは内容の濃さに比例していて、この内容で、それ以上の人数になると、受講者一人一人の体感が逆に減って行ってしまうものだ。時間に対して体感が減ってゆくということは、総体的経験量が少なくなるということで、それはワークショップ受講料の単価に関わってくる。それはそれは、由々しき問題となってしまう。

ともあれ、昨夜のワークショップの3時間は濃密であり、濃密であるが故に、あっという間に時間は過ぎて行った。

冒頭、自身のからだの重心に目を向けることで、自重を体感するワークを行ったのだが、私自身何度も行なってきたワークにも関わらず、突然冒頭から声を出して唸ってしまいました。

何故か。

既に、クリエーションが始まってしまったから。
彼らのからだから。

と、言ってもこのブログを読んでいる方には伝わらないかも知れませんが、その場にいた方ならば、その瞬間の空間の立ち上がり方は思い起こされるはずです。

そして、ペアワークに入って、また唸る。
この感じは、一体何なんだ。

今現在、今週末に本番を迎える作品のクリエーションで、私自身は飽和しているというのに、創作への刺激、あるいは欲求とでも言うのだろうか。そんなものが、沸々と湧き上がってくるのを、抑えることが出来なくなってしまう。

何故か。

それは、参加したメンバー個々の存在と、その組み合わせが絶妙だったからだ。
そのからだの在り方が。

今回のワークショップは新作のクリエーションに取り入れてきた方法論の一部を使って、短いピースを作るところまで。というものだったのだけど、私自身としては、もう一つ別の「あなたがいない世界」の欠片のようなものを採取出来たと思っている。
こんな時は、受講された皆に感謝せずにはいられない。

ありがとう。

その欠片は、壊さぬようにそっと拾い上げて、ポケットにしまっておこう。
いつか、それをまたポケットから出して、少しずつ組み上げて行きたいと思う。