諸行無常身体

 昨日はR40現場でのリハーサル。舞台美術もある程度決まりつつ、音響もセッティングした状態でのランスルーを行う。やっぱりサウンドテクが入ると空間が大きく変わる。それは予想はしていた事だけど実際に空間で本番に近い音で環境を作ってみるとその変化はとても大きかった。舞台監督さんも音響さんも作品に対する理解が深く、作っている側としては本当にやり易くて色んな意味で助けて頂いている。
 ダンサーの身体とその動きの造形もかなり彫られ始めて、僕の無理な要求にもしっかり応えてくれている。今回のメンバーはある意味では絶妙な人選と言えるのかも知れない。自分自身、踊る時にいつも考える事が「一つの作品に対して自分の身体をどこまで追い求める事が出来るか」という事。それは自分を身体的に追い込むという意味ではなく、自分の身体の動きとその造形、リズム、流れに対してどこまで固執する事が出来るか、表現するに至るまでの道程をどれだけ歩めるかという事だ。身体はひとときとして完全体であり得る事はない。だとしたらその不定形の存在をいかにコントロールするのか。その上で、改めて、自分の身体で表現するとはどういう事なのかを問い直してゆく。嗚呼、諸行無常。流れる川を眺めているようなものなのかも知らん。
 とにもかくにも、TIME CARVING BODY上演まで、もう二週間を切りました。今週はムーブメントを重点にリハを行い、来週一週間、現場に入ってダンス、音響、照明、舞台をフィックスして行く。ダンサーにはこのままの方向で本番まで怪我をせずに、身体に向かい続けて欲しいと思う。