拡張、解き放たれる身体、うたた寝

 「無題」創作とのバランスを取りつつR40リハ。二つの舞台作品創作が重なってしまう期間は、スイッチの入れ替えがなかなか難しい。そんな時一番有効なのが、仮眠。ほんの数分でもいい。創作で脳みそを激しく使ったあと、ある程度のフィジカルな疲労を課してやれば、眠りはほどなくしてやって来る。目を瞑る。暗闇に落ちる。数分の仮眠。再び目覚めた時には、脳内は確実にリセットされている。脳医学的にはどうなのか分からないけれど、二つの創作スイッチの入れ替えにはこれが一番利くような気がする。
 さて、R40のリハーサル。今リハをしているスタジオが本番の空間と比べるとかなり狭いので、まだパーツしか作れていないのだけれど、おそらく既にダンサーの身体は拡張し始めているように思う。身体がスタジオの狭さに悲鳴をあげ始めているような感じがして、早く広い野原にその身体を放ってあげたい。今の状態が続くと、逆にダンサーに変な負荷や疲れがかかってしまいそうで少々心配。そうは言えども、作品が(ダンサーの創り出す動きの造形が)少しづつ、確実に拡張しているのはとても嬉しいことです。
 「無題」公演が終わって、6月から本格的に組み上げて行きます、R40。
 フィジカルとメンタルはメビウスの輪のように繋がって表になったり裏になったりしている。たまには、ほんの一瞬でも、何も考えずにただ、ぼけーっとしながら、うたた寝するのもいいもんだな。