身体 情報 表現 己

 先週末から東京に滞在して5月日女作品の創作の毎日が続いている。考えてみたら、今回の作品は僕自身の年齢、40歳を越えての最初の作品となる。そして僕が身体に関わる表現を始めてから20年目の最初の作品でもある。そしてダンサーは20歳前後の学生達。
 ただ、ダンサー達の身体性は僕が彼女達の年齢の頃とは大きく違う。彼女達の踊る姿を見ていると、僕自身が彼女達と同じ年齢だった頃をどうしても思い返してしまうのだけれど、実際、20歳だった頃の僕とは比べ物にならない位に、彼女達の身体情報は複雑になっていて、しかもその複雑さに、各々の身体を整合させている。
 少なくともこの20年で、日本における身体性という概念は大きく変化しているという事なのかも知れない。
 しかし同時に、未だ情報が身体を越える事はないのだという事も実感している。身体外部の情報と、身体内部の情報。そのバランス。
 もし、情報のスピードとリアリティが身体のそれをを越えるという事が起こった時には、僕は身体を通しての表現を止めるのだろうと思う。
 あるいはそれは、全ての表現に対しての・・・という事なのだけれど。
 5月28日29日、アサヒアートスクエア。
 作品のタイトルは「無題」。
 僕自身にとって、一つの節目になる作品です。