空間×速度=時間

 しばらくぶりの更新となりました。と思ったらもう12月。
 「早いものです。」
 既にこの言葉を口にするのもお約束事だか、ご挨拶にになって、真実みがなくなってしまったような気がするので、どうも口にするのが憚られるのだけれどね。やはり使ってしまいますね。「早いものです。」と。だって、ほんと、時の経つのは早いのだもの。こうも早いと「僕はこの一年、一体なにをしてたんだっけ?」「あれ?何かやったっけ?」と首を傾げたくなるけれど、、、いやいや、色々やりました。あれも、これもやりました。そうそう。やったやった。やったわな。
 
 旅のはなし。
 
 電車に乗って旅をする時には、必ず窓側に座って車窓から外の景色を眺めるようにしている。出来れば進行方向を正面にした状態で。すると景色は視界の前方遠くから近づいて来て、一瞬のうちに僕の真横を通り過ぎて、後方の視界の外へと流れて行く。たった今通り過ぎた景色に思いを馳せている暇もなく、次から次へと景色は加速度的にやって来て、そしてどこかへ消えて行く。結局、旅を終えた後に記憶に残っている車窓の景色なんて、ほんの少し。あれだけ沢山の景色を眺めていたというのに。まあ、僕の記憶力に何か問題があるのかも知れないけれど。
 ちなみに旅の目的地に着いて駅を出たら、ひたすら街を歩く。すると、景色はゆっくりと流れて、時間をかけてじんわりと記憶にしみ込んで行く。
 
 いやはや、本当に時間の経過とは早いものだけれど、そこに静かに身を置きながら、好きなものだけを記憶に留められればいいなあと、切に思います。
 そうだよ。今年は色々やりましたよ。それらの記憶がやがて結晶となる時まで、なくさないようにどこかにしっかり仕舞っておかなければね。うむ。