受け継ぎ刻まれるもの

 日女公演「無題」が終わってから、はや10日が過ぎた。公演の翌日に岡山に戻って教えに行き、その翌日から疲れがどっと出た感じで、しばらくのんびりしていた。気がついたら10日も経っていたという感じがする。
 その10日間で「無題」のあれやこれやを自分の中で消化させて、次のR40に頭も身体も生活もシフトした。R40作品の題名は「Time carving body」。日女作品の根底にも流れていた「刻む」という言葉。今回の作品でもCarving(刻む)というワードが一つの素材になっている。おそらく今の僕のキーワードとしてその言葉があるのかも知れないな。そんな感じで、前作から今作へと一つのDNAが受け継がれている。
 「無題」は近作ではかなりいい作品になったと思う。Mラボの「停止。」以来の出来ではないだろうか。11人のダンサーは若さや経験などものともせず、各々自分の身体を深く探求し、そしてそれを作品にほぼ完璧に整合させていた。最終的に作品は38分程度になったが、この作品は50分〜55分くらいがベストなのではないかな、と思う。近いうちに改訂して是非再上演したい作品です。この「無題」は。
 11人のダンサー達よ「お疲れさまでした。ありがとう。」
 とにかく一つの創作を終え、また新たな創作に向かいます。刻み込むようにして。