あたりまえのこと

 日女作品リハを一段落して岡山に戻る。今回の滞在で日女作品「無題」はラストまで上がった。ただ、まだシーンによってはかなりてこ入れしなければならない部分もあり、完成まであと数日を要するといったところ。やっぱり後半部分かな。
 ダンサーの皆はよくやってくれていると思う。もちろん上級生と下級生との経験の差などもあるけれど、それはそれ。経験はその中にその身を置く事でしか得る事が出来ないのだから、やはりそれは経験するしかない。ただ、そこにいればそれが経験となるかと言えばそうでもなくて、そこでしっかりと身体と向き合う事によって初めて、その経験を身体に刻む事になるのである。そんなうんちくはどうでもいいけれど、そんな事を含めても、ダンサー達はよくやっている。これからも、それぞれが、自身の身体と真摯に向き合っていけば、作品の強度はしっかりとしたものとなる筈なんだ。
 全体と個を考えた時に、全体の中に個があると考えるのか、個の集まりが全体を形成していると考えるのか。この二つの思考性は大きく異なる。舞台作品、殊にダンスのグループ作品のなど場合「自分」とか「私」と、「皆」とか「作品」とを相対化しようとする時に陥りがちな問題なのかも知れない。そんな時にあって、全体の中の個という考えをするのは、あまりに個人的結果論的思考でありすぎるように思えて、僕には向いていない。個の集積が全体を作っている。それは当たり前のように思えるけど、以外と全体の中に身を置く事に慣れすぎてしまうと忘れてしまいがちなのかも知れない。
 来週末3日間と、再来週から本番終了までの10日間。今回の創作での上京もあと二回。