水をあげる

 自宅二階の一室でデスクに向かって仕事をしたり、本を読んだりしている時などに、ふとデスクの上に置いてある小さな鉢植えを眺める。そして、思いついて植物に水を与える事にする。
 我が家には大小幾つかの鉢植えがあるのだけれど、それらに水を与えると彼(もしくは彼女)らは、その根っこから充分に水を吸い上げて、随分と気持ち良さそうに見える。そんな彼(もしくは彼女)らをしばらくぼんやりと眺めてから、再び仕事を始めたり、読書に戻ったりする。すると僕自身の心も、何らかの水を吸い込んだように、気持ち良くなっているのだ。