バウムの目はどこにある?

 節目という言葉がある。なかなかにして悪い言葉ではない。ある時点を起点として一つの時期が過ぎて行き、そしてそのひと時期を締めくくる為の新たな時点を設ける。そこに一つの節が作られる。節目。それはある意味では、年輪のようなものなのかも知れない。
 今日の夕方、ちょいとぶらぶらとデパートの地下をうろついて、洋菓子などを眺め歩いていたところ、なにやら大きなきりたんぽのようなものがぐるぐると回っていたので足を止めて眺めてみた。もちろんそれはバウムクーヘンなのだけど。なんか、その巨大なお菓子を作っている作業を眺めるのがすごく面白かった。で、その時何故か、僕は節目についてぼんやりと考えていた。
 おそらく僕の人生の節目は、バウムクーヘンみたいに甘くて美味しいものとは言えないだろうけど、確実に幾つかの年輪を重ねてきてはいる。もしも僕がある節目を迎えたのならば、これから先、強く新しい時代に踏み込んで行きたい。
 とまあ、年末になると、そんなご挨拶をしたくなるのが性分のようです。でも、デパ地下って年末感を味わうのに、うってつけの場所だよなあ。