オータムンアイス

 寝ている間に台風は屋根の上を過ぎて行って、朝起きると空には雲の切れ間から太陽の光が差し始めていた。また一つ台風が行き、また一段秋が深まりを見せた。とは言っても暑いか涼しいかと問われれば「あち〜」と答える。それでも、汗を乾かす風は夏の終わりを感じさせるものになりつつあるな。
 午後。自転車で自宅近くのレストランに行き昼食を食べる。帰りに道草をして操山の麓をチャリチャリっと流す。街道から少し離れると途端に静かになって、気がつくと虫の声がぴーひゃら、じじじ、リーンリーン。と聞こえて来た。古い水路と山際の寺。そして秋の虫の音。
 家につく前に、アイスキャンデーを買って帰る。
 夏が終わる。