ただの一言

 舞踏家「大野一雄」氏が昨日亡くなった事を知る。
 僕が大学時代に一番最初に身体による表現を始めたのが目黒にあったアスベスト館で、当時は大野先生もよくアスベスト館に教えに来られていた。踊りを始めて間もない僕はアスベスト館にいた時代に、目黒の館や、横浜のスタジオで何度か大野先生の稽古を受けたものでした。
 その頃の僕は身長178センチで体重が50キロ弱と、とんでもなく痩せていたので、それを見た大野先生が「あなたは行(ギョウ)をしているの?」と聞かれたのだけど、その頃の僕は極貧で、ろくに食べ物をたべれなかっただけだったので「いや、食べれないだけなんです。」と答えたら、「ふ〜ん。じゃ、踊りなさい。」と言われました。
 その言葉が、結局、今の僕を形成させているのかも知れません。
 心より、ご冥福をお祈り致します。ありがとうございました。